用瀬の流しびな
もちがせのながしびな
概要
本件は、鳥取県鳥取市用瀬町に伝承される女児の三月節供の行事で、晴着で着飾った女児たちが雛人形に災厄を託して川に流し、無病息災や無事な成長を祈願する。
かつては、旧暦3月3日の夕方頃から家ごとに行われていたが、現在は、同日の午後、地区を流れる千代川の水辺で時間を定めて行っている。雛人形は、男女一対の小さな紙雛で、藁製の丸い桟俵の上にのせ、桃の小枝や季節の花、菓子などを添えて、川の緩やかな瀬を選んで下流へと送る。また、この日には、「ひな荒らし」と称して、近所の子供たちを自宅に呼んで雛祭りの御馳走を振舞う習わしもあり、各家では、新旧の雛人形を座敷や玄関口などに飾り、一般に披露する。