車輪石
しゃりんせき
概要
車輪石とは、古墳の副葬品の中で、南海に生息するオオツタノハを加工した貝輪を石で模造した腕輪形の石製品で、車輪に見立てて江戸時代に命名された。表面には24本の肋条によって匙面を作り出し、裏面は断面をみると中央に向かって緩やかに膨らむ。石材は硬質で淡緑色を呈する緑色凝灰岩であり、石川県片山津産と見られる。富雄丸山古墳とは奈良市南西部に現存する大型円墳で、明治年間に著しい盗掘にあって副葬品が散逸した。本品もその一つの可能性もあるが、出土地の確定にはさらなる類品の発見を待ちたい。