台渡里官衙遺跡出土銅印
だいわたりかんがいせきしゅつどどういん
概要
昭和61年3月に台渡里官衙遺跡内の畑地で採集したものである。印字は陽刻による一文字あるいは二文字と考えられ,「桶弓」あるいは「通」等の釈読ができるものの,確定はしていない。鈕部は鶏頭鈕であり,直径5mmほどの鈕孔が穿たれている。地中に長く埋没していたにもかかわらず錆による劣化は進んでいない。
印面は唐尺一寸六分以上の寸法を有しており,官印に順ずる公印は郷印が一寸から一寸五分の大きさであることを考慮すると私印ではなく那賀郡衙で使用された公的な印であった可能性が高い。茨城県内の銅印出土例は7例が知られているが本資料の印面が最大である。