陶画
とうが
概要
ふぐが描かれた陶画。陶画とは陶器に絵を描いたもの。俳名が「章魚」(蛸(たこ )の意)であることが関係してか、章太郎は画題に魚を選ぶことが多かった。また『菜種河豚』(演劇新派社、1940年)という題の随筆集も出版しており、これは晩春の季語である。ふぐは菜の花の咲く春先に最も毒が強くなるため、この時期のふぐを口にしてはいけないという戒めの言葉だが、同書のあとがきで、章太郎はこの題は「一寸自分でも好きな気がします」と述べている。
花柳章太郎(1894~1965)の旧蔵品で平成10年(1998)に遺族の青山久仁子氏より国立劇場へ寄贈された。