山水図襖
サンスイズフスマ
概要
現存する養徳院障壁画のうち、最も古い面の一つである。室町時代の記録『蔭凉軒日録』によれば、延徳二年(一四九〇)に室町幕府の絵師、宗継が養徳院のために中国・南宋時代の画人、牧谿風の芦雁図四面と夏珪風の障子絵六面を描いたとあり、この山水図四面(襖五面を改造)がその夏珪風六面の一部にあたると考えられている。やや硬く直線的な岩の筆づかいは、画家の個性が強く現れた部分である。一連の伝来品のうち、「琴棋書画図襖」八面(Ⅰで展示)も宗継の手になるもので、芦雁図襖とともに養徳院、そして中世の水墨障壁画を代表する名品である。