桜鼓革銀珊瑚歩揺簪
さくらつづみかわぎんさんごびらかんざし
概要
銀製、二本足で鼓革形の平打ち簪に蕊に珊瑚を付けた桜花の飾りを付けた歩揺簪で、一対(194と195)で伝わる。歩揺簪は寛政年間に流行し、鎖の先に蝶や鳥・小鈴などを付けて、歩くたびに揺れ動いて音がするようにしたもので、主に上流階級で用いられて華美を極めた。文化・文政頃に江戸で廃れ、その後上方でも廃れて文久頃には全く絶えたとされるが、実際には近年まで作られ、使用されていた。花柳章太郎(1894~1965)の旧蔵品で平成15年(2003)に遺族の青山久仁子氏より国立劇場へ寄贈された。