伊達政宗朱印状
だてまさむねしゅいんじょう
概要
天正十七(1589)年六月五日、伊達政宗は猪苗代湖畔の摺上原において、奥州の代表的な戦国大名であった会津蘆名氏との戦いに大勝し、滅亡へと追い込んだ。旧蘆名氏家臣は次々に降伏し、政宗は名実ともに南奥州一円の雄となった。この資料はそのような時期に書かれたもので、伊達家の傘下に入った一人である中目与次郎<なかのめよじろう>の知行やその他の権益を政宗が保障するという内容になっている。「政宗」の下に捺された朱印には「龍納」と刻まれている。この「龍納」印は、天正年間後半、つまり政宗が家督を継いでから南奥州一円を制圧す