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東京都

国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))ベルサリエーレの歩哨(松岡寿筆)東京都千代田区千代田

ベルサリエーレの歩哨(松岡寿筆)

松岡寿(1862~1944)は岡山の出身で、川上冬崖への入塾、工部美術学校でのフォンタネージへの師事を経て、イタリアに留学し、早期に西洋絵画の技法を習得した日本人画家である。本作はイタリア統一に貢献した部隊の一歩兵を描いた油画で、ローマ滞在中の松岡が明治天皇の命を受けて制作し、帰国後に献上した。松岡のイタリアにおける修学の総決算とされる。早くに西欧への渡航を果たし、帰国後は油画の地位確立と教育に大きな役割を果たした松岡の代表作として重要であり、日本の油画の展開を考えるうえでの学術的価値も高い。

国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))絵師草紙東京都千代田区千代田

絵師草紙

ある貧しい絵師が天皇から領地を与えられ、いったんは驚喜したが、結局年貢は手に入らず、将来を悲観した絵師は息子を出家させることにし、この間の顚末を文章と絵であらわしたと称する絵巻で、後醍醐天皇(1288~1339)親政期の社会の細部に光をあてたと解しうる内容となっている。絵は堅実な構成と正確な描線、表情豊かで滑稽味のある人物描写と貧しさを際立たせる情景描写に優れる一方、主人公たる絵師の描写には巧拙があり、そこにもこの絵巻を描いた絵師の立場が反映しているとみられる。特色ある中世絵巻として貴重である。

国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))霊憲候簿東京都千代田区北の丸公園3−2

霊憲候簿

霊憲候簿は、江戸幕府天文方の渋川景佑らにより、天保9年(1838)から16年余りにわたって行われた天文・気象の測量記録である。太陽や月、惑星などの位置、日食、月食などの天文現象、一日3回程度の天気、風向、温度、気圧が毎日記録される。

国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))人物写真帖〈明治十二年明治天皇下命/大蔵省印刷局等製作〉東京都千代田区千代田1-8 皇居東御苑内

人物写真帖〈明治十二年明治天皇下命/大蔵省印刷局等製作〉

明治12年(1879)に明治天皇が下命し、宮内省が主導して製作された写真帖。4531名に及ぶ明治政府高官等の肖像写真を網羅的に収めた類例のない写真群であり、同時に全国の写真師の写真術の有り様を知ることができる。