神戸御影の住宅街に所在する芸術家綿貫宏介自邸の茶室。敷地の南東隅にあり、煉瓦塀越しに陶器土鍋で蓋をした宝形造屋根を通りに見せる。内部は傘天井、簾障子を建て、囲炉裏を切り、置き床とする。鎌倉時代の山家に着想したとされる野趣溢れる自在な造り。

北西側の西門脇に位置する村野藤吾設計の守衛室。コンクリートブロック造平屋建で、人造スレート葺宝形屋根を載せる。出入口となる東角では入隅にして独立柱を立て、南角では出窓を矩折れに付すなど、小規模ながらも細部にまで意匠的配慮が行き届いた守衛室。

校地東の一角に位置する村野藤吾設計の茶室。平屋建寄棟造桟瓦葺で、銅板葺土庇を南西に付す。内部は玄関、六畳と八畳の座敷を東西に並べ、玄関北に水屋と手洗を突出させる。座敷意匠は平明でガラス戸を採り入れ、モダニズムに通じる和風意匠をよく示す。

キャンパス南側の正門脇に設けられた守衛室。平屋建で、コンクリートブロック壁に木造の宝形を組合わせた屋根を架ける。矩折れに取付く出窓や、煉瓦を二段帯状に積込んだブロック積の壁体など、小規模ながらも細部まで意匠的配慮が行き届いた造形である。