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鹿児島県
国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))鹿児島県山ノ口遺跡出土品鹿児島県霧島市国分上野原縄文の森2-1・鹿児島県鹿児島市城山町7-2
山ノ口遺跡は、昭和30年代、鹿児島県考古学会の黎明期を主導した河口貞徳らによって発掘調査が行われ、軽石を円形に並べた弥生時代中期後半の配石遺構群とともに、土器や軽石製品などの祭祀遺物が多数出土した。遺跡は、大隅半島の鹿児島湾に面した砂丘上に存在する。
岩偶に代表される軽石製品は、弥生時代におけるこの地域の独特な精神世界をよく示す。岩偶は男女の一点づつがあり、特に女性岩偶は、乳房、性器、髪の結束がそれぞれ陽刻、穿孔、線刻によって表現され、より具象的である。また、陰石状製品、石棒状製品は、それぞれ男女の生殖器を象るとみる意見があり、再生を願う儀礼に結びつく。ただし、前者を容器、後者を家形とみる意見もあり、未だ定見をみていない。このほか、明らかな家形、勾玉形、不定形の軽石礫に線刻や穿孔を施すものなどがあり、その形状は多様である。
土器には甕形、壺形、鉢形などがあり、その多くは体部に穿孔が認められる。土器を置く際に、その機能を失わせる儀礼行為を行ったことを示している。またこれらの土器は、器種の揃う残りのよい一括資料としても重要で、弥生時代中期後半の南九州地域に分布する土器群を代表して、山ノ口式土器と呼ばれる。土器の多くには、開聞岳起源の火山噴出物・暗紫ゴラが固着しており、放射性炭素年代測定によって年代の定点が与えられることも、その価値を高めている。
国指定文化財(登録有形文化財(建造物))沈壽官家茶室鶴壽軒鹿児島県日置市東市来町美山字藤之尾1715
市街地西方にある薩摩焼窯元の茶室。敷地南西に建つ宝形造鉄板葺で南・東に軒支柱を立て軒を深くつくる。内部は茶室と水屋からなり、茶室は八畳間に床を上座に構え、床脇に茶道口を設ける。裏千家15代宗室監修による洗練された茶室で当家との交流を示す。
国指定文化財(史跡名勝天然記念物)与論城跡鹿児島県大島郡与論町
14世紀前半~中頃築造の最北端の大型琉球式グスク跡。南方社会の実態を知る上で重要。
国指定文化財(重要無形民俗文化財)岩川の弥五郎人形行事鹿児島県曽於市
本件は、鹿児島県曽於市大隅町の岩川八幡神社の秋季例祭に行われる行事で、弥五郎と呼ばれる巨大な人形が神幸行列の先頭について町内を練り歩き、五穀豊穣が祈願される。弥五郎は、古代の隼人伝説に登場する武人姿の巨大な人形で、浜下りと称する神幸行列の先払い役として祭りに登場する。弥五郎人形は、台車に載せて地区の男児たちが引き、岩川の市街地を巡行する。