金峯神社本殿
きんぼうじんじゃほんでん
概要
金峯神社は,庄内平野の南端,古来より霊山として篤く信仰されてきた金峯山にある。
本殿は山頂近くの平坦地に東面して建ち,棟札や文書より,慶長13年(1608)に最上義光を大檀那とし,前身建物を改造して建てられたと考えられる。
形式は桁行正面一間,背面三間,梁間二間を身舎とし,入母屋造の屋根を架け,この周囲にもこしを廻している。
金峯神社本殿は,もこし付で詰組の禅宗様仏殿形式を基本としながら,身舎を神社本殿の平面とする特異な構成になっている。
向唐破風造としたもこし正面の扱いも類例がなく,近世初期の建築として意匠的に価値が高い。東北地方における数少ない修験道の遺構としても重要である。