泉福寺仏殿
せんぷくじぶつでん
概要
泉福寺は,国東半島東部にある永和元年(1375)創立の曹洞宗寺院である。室町末期に一時荒廃したが,近世には復興され,国東郡中随一の禅寺といわれた。
仏殿は,棟札や建物各部の様式手法から,大永4年(1524)の建立と判断される。
桁行三間,梁間三間の本屋の背面に張出を付属した規模で,中央の身舎周囲に庇を廻し,詰組の組物,虹梁・大瓶束の架構など,禅宗様仏殿の形式である。
泉福寺仏殿は,中世に遡る本格的禅宗様仏殿の数少ない遺構で,曹洞宗寺院仏殿としては最古,かつ九州において唯一の例として価値が高い。
後世の修理を経ているが,巧みにその特徴を継承し,禅宗様建築様式の伝播,普及を考える上でも重要な遺構である。