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鶴林寺本堂

かくりんじほんどう

概要

鶴林寺本堂

かくりんじほんどう

宗教建築 / 室町 / 近畿 / 兵庫県

兵庫県

室町中期/1397

桁行七間、梁間六間、一重、入母屋造、本瓦葺

1棟

兵庫県加古川市加古川町

重文指定年月日:19010327
国宝指定年月日:19521122

鶴林寺

国宝

鶴林寺本堂 一棟

 本堂はもと講堂と呼ばれたもので、建立年代は明らかでないが、堂内の厨子の棟札には応永四年(一三九七)の記があり、本堂も様式上より見て室町時代初期と考えられるから厨子と本堂とは同時の建立になるであろう。以後数次の修理を経ているが、そのうち最大の修理は寛政九年より十年(一七九七~九八)にかけてのものであって、現在の軒以上はすべてこの時新しく変えられたものとみられる。
 堂は桁行七間、梁間六間、入母屋造で、柱間は開口部が多く、貫に藁座を打って桟唐戸を入れている。組物は和様の二手先(捨斗付き)であるが、隅柱の大斗には皿斗状の繰形をつけ、組物間の中備としては、蟇股の上に双斗をのせたものを用いているなど、変化がみられる。内部は内外陣に分かれ、外陣は組入天井で、前後に断面円形の太い虹梁をかけ、また独特の形式をもつ海老虹梁や繋虹梁を用いている。これらの手法は、和様に禅宗様、大仏様の細部を合わせたもので、折衷様と呼ばれるが、この建築はその代表作であり、観心寺金堂(国宝)よりさらに折衷が進んだ例である。なお内陣に造りつけとなっている厨子は、五間厨子で、本堂と異なり和様と禅宗様とを合わせた様式からなっている。

【引用文献】
『国宝辞典(四)』(便利堂 二〇一九年)

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キーワード

/ / / 内陣

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