天津神社舞楽
あまつじんじゃぶがく
概要
新潟県糸魚川【いといがわ】市一の宮の天津神社・奴奈川【ぬながわ】神社の祭礼である四月十日・十一日に演じられる舞楽である。この祭礼には二つの神輿の競り合いがあるが、この行事が済んだあと、境内の石舞台でこの舞楽がある。 「振鉾【えんぶ】」「安摩【あま】」「鶏冠【けいかん】」「抜頭【ばとう】」「破魔弓【はまゆみ】」「児納曽利【ちごなそり】」「能抜頭【のうばとう】」「華籠【けこ】」「大納曽利【おおなそり】」「太平楽【たいへいらく】」「久宝楽【きゅうほうらく】」「陵王【りょうおう】」の十二番の曲目があるが、「能抜頭」のように珍しい曲を伝えているのをはじめ、稚児舞として多くの曲が舞われているなど独特の伝承を有している。
平安期に日本的完成をみた雅楽は、その後地方の社寺を通じて各地に伝えられたが、北陸地方には稚児舞楽として伝承されてきているものが多く、この舞楽もその系列に属するものである。演技、演奏法に中央の神楽とは違ったものがみられ。芸能史的に貴重である。
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国指定文化財等データベース(文化庁)