春日補陀落山曼荼羅
かすがふだらさんまんだら
概要
下段は、春日社と御蓋山(みかさやま)を一円とする通行の春日宮曼荼羅、上段には、たなびく霞を隔て、観音の居所である補陀落山浄土が表される。四周を海に囲まれた補陀落山には、麓に殿舎や舟、人物を、山中には瞑想する羅漢や徘徊する獅子などが描きこまれる。山上には、半跏(はんか)する十一面観音を皆金色身(かいこんじきしん)で表し、金色の光を放つ。驚くほど細密な描写は、当時の貴族階級の趣向に合わせたものだろう。他に類例をみない作品として貴重である。
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