黄金山産金遺跡
こがねやまさんきんいせき
概要
陸奥国小田[むつのくにおだ]郡は、奈良時代から金の産出地として知られており、黄金山神社境内を流れる小川からは、いまでも少量の金が検出される。黄金山神社は「延喜式」巻10に見えるが、昭和32年、現神殿とその背後の玉垣付近を発掘調査した結果、建物基壇が発見され、4個所に根石が遺存していることが判明した。また、境内から奈良時代の軒瓦[のきがわら]等が出土したほか、付近から「天平」と箆書[へらがき]した文字瓦と瓦製宝珠[ほうじゅ]の破片が発見されているので、この地に奈良時代につくられた建物があったことは、明らかである。この事実より、黄金山神社境内の発掘遺構は、産金にちなんだ建物跡と考えられ、奈良時代の産金関係遺跡として歴史的意義が深い。