ナガレ山古墳
ながれやまこふん
概要
S51-12-015ナガレ[[山古墳]やまこふん].txt: この古墳は、奈良盆地の西を限る馬見丘陵の東支丘上に位置し、著名な馬見古墳群の中央部に所在する特別史跡巣山古墳、史跡乙女山古墳と近接している。
本古墳は、南向きの2段築成の前方後円墳で、全長103メートル、後円部径64メートル、前方部幅70メートルを測る比較的大形の古墳であり、墳丘の周辺には築造時に削平し平坦に造った平場が残されており、墳丘と墓域を考える手掛りとなっている。
昭和50年に墳丘の土取り工事が起こり、奈良県教育委員会が調査を実施した結果、墳丘裾部に埴輪をめぐらすこと及びその良好な遺存状況が注目された。埴輪例は、布掘りの掘方の内に10センチメートル間隔で円筒埴輪を立て並べ、10本ないし20本ごとに形象埴輪と推定される大形の埴輪を配置したものであることが判明した。墳丘裾部には葺石がみられ、埴輪列の外方約1.5メートルの位置に、板状安山岩を2〜3段重ねて基底としている。くびれ部には埴輪により区切られた方形区画が発見され、埴輪の配置から1辺10メートルほどの規模と推定されている。
この古墳は、埋葬施設は調査されていないものの墳丘の形態や埴輪の特徴からみて、5世紀前半ごろの築造と考えられ、馬見古墳群の形成過程を理解する上で欠くことのできない重要性を持つものである。