内大臣殿歌合 (元永二年七月)
ないだいじんどのうたあわせ
概要
『類聚歌合』巻第十二所収の「内大臣殿歌合」を書写する一巻である。『類聚歌合』は嘉保年間(1094〜96)の『和歌合抄』と、それを修正増補した天永年間(1110〜13)の『古今歌合』にもとづいて大治年間(1126〜31)に二十巻として成立した歌合集である。11世紀半ばに成立した『十巻本歌合』に対して、『二十巻本歌合』とも呼ばれる。その草稿本20巻が近衛家に伝来し、うち19巻(巻第八、第十一のみが完本)が陽明文庫に所蔵される。20人あまりの寄合書きで、書写形式も一定ではない。
本巻は元永2年(1119)7月30日に内大臣藤原忠通が自邸において催した歌合を書写したもので、元来は「草花・晩月・尋失恋」の三題で六十六首を収めるが、ここでは「尋失恋」の部分を欠失する。筆者を西行(1118〜90)と伝称するものの判然とせず、書写は十二世紀前半と推定される。
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