平出遺跡
ひらいでいせき
概要
大字平出とせられる平地に存するもので、縄文式土器の伴う竪穴住居跡及び土師器の伴う竪穴住居跡の複合よりなつている。
昭和22年から昭和26年まで継続して調査されその結果、前者は16、後者は48顕現され、他に高床式の建築跡、その他の遺構も発見された。殊に土師器の伴う竪穴住居跡は長方形、方形或は隅丸の方形等を呈し、炉及び竃の存することが通有でわが国におけるこの種の住居跡として重要な資料をなしている。地域内から縄文式土器、石条、石鏃、石匙、土偶等及び土師器、須恵器、緑袖水瓶、鉄鏃、鉄鎌等が発見された。
この遺跡は広大な地域に存し長期間にわたって存続した古代の聚落を示すものとしてわが国当代の文化を考察する上に価値が深い。