錞于
じゅんう
概要
長江流域では春秋期から漢代にかけて錞于(じゅんう)という鼓楽器(こがっき)(ドラム)が発達する。この形は商代の扁壺を逆転させた形を連想させるが、その起源はよくわかっていない。初期には側面に人面や囧文(めいもん)などを表わす例もあるが、後には全くの無文となる。上面にこの地域で神聖視されていた虎の立体造型がつけられ、そのかたわらに吉祥(きっしょう)を祈る魚や五銖銭(ごしゅせん)の文様が表わされるものもある。
坂本コレクション 中国古代青銅器. 奈良国立博物館, 2002, p.63, no.312.