志摩
しま
概要
志摩は,金沢城跡の北東,浅野川大橋北橋詰めに隣接する東山一丁目にある。
文政3年(1820)の茶屋町創設当初に建設された茶屋建築で,1・2階の座敷廻りには,要所に面皮柱を用い,全体に濃い色付けをほどこし,弁柄色の土壁や具象的な図案の金物等で,独特の瀟洒で華やかな室内をつくる。
茶屋町の佇まいをよく残す金沢市東山ひがし重要伝統的建造物群保存地区の中心に位置し,保存状態が良好で,「ひがし」に残る茶屋の典型を示す遺構として重要である。
全国的にも類例の少ない茶屋建築であり,江戸時代後・末期における庶民文化の一端を知るうえでも貴重な建物である。