竹原古墳
たけはらこふん
概要
丘陵の突端に営まれている墳丘で、基底径約17メートル、高さ約6メートルを有する円墳とみなされる。南面して横穴式石室があり羨道の一部は欠失しているが、前室及び後室をそなえている。これらの側壁は割石によって積築され、後室は長さ約2.70メートル、幅約2.20メートル、高さ約3メートル、前室は長さ約1.20メートル、幅約1.60メートル、高さ約2.20メートルを有する壮大なもので、奥壁のほぼ中央上部には石棚が設けられ、その下半部の壁面は高さ約1.50メートル、横幅約2メートルの巨大な一枚石を主としている。この部分のほぼ■されている。この図様は左右に■羽状のものを立て下方に波形文を設け、中間に三角連続文・舟・動物・人物等が配されており、その色彩は赤及び黒の二色より成り、壁面の地肌を巧みに利用して効果的な配色を示している。又前室にも後室に通ずる部分の左右2面の部分にそれぞれ動物図文が画かれている。
これらの絵画はよく流暢な筆致を示しており、特異な図様と妙味ある配色と相俟って、わが国におけるこの種の古墳壁画の中においてもきわめて優秀なものであり、学術上の価値が高い。