高千穂神社本殿
たかちほじんじゃほんでん
概要
高千穂神社は宮崎県北西部にある。創建は定かでないが,古来より高千穂郷八十八社の総社として崇拝されてきた。
現在の本殿は,延岡藩主内藤政脩を大檀那として安永7年(1778)に完成したもので,造営には大分城下鶴崎の大工等が携わった。形式は五間社流造で,通常,脇障子となる縁西面には,稲荷社を設けている。装飾細部は躍動感のある大胆な構図とし,立体的につくられている。
高千穂神社本殿は,欅材を用いた丁寧なつくりで装飾細部も充実し,意匠的な完成度も高く,九州地方南部を代表する大規模な本殿建築である。また,縁に小規模な社殿を附属した独特の形式や,当地方の伝説や祭礼に関連した彫物など,地方色も顕著に有しており,高い価値がある。