銅造〈釈迦如来/多宝如来〉並坐像
概要
「妙法蓮華経」見宝塔品に基づく、いわゆる二仏並坐像で、光背・台座を含む全容を一瀉に鋳成する。台座に記す銘文によって太和十三年に九門県(現河北省藁城県)の寛法生兄弟が亡き父母の為に造ったことが知られる。体躯の安定した造りや豪放な趣きのある衣褶表現など、いわゆる太和金銅仏中でも出色の出来映えで、また光背裏面の釈迦三尊と思われる浮彫の厚味のある表現、殊に中尊の雄偉な象形にも見るべきものがある。二仏並坐像としては大作に属し、中国小金銅仏中の名品の一つに数えられる。