留め飾り(チャプラズ、チャンガ)
とめかざり(ちゃぷらず、ちゃんが)
概要
トルクメン人は現在、トルクメニスタンを中心にイラン、アフガニスタン等で多く生活しています。彼らはテケ族やヨムート族など数多くの支族に分かれて、装身具や民族衣装もそれぞれ独自の様式を見ることができます。装身具は全身を合わせると10キロを超えることもあり、昼夜外すことはありませんでした。ジュエリーは既婚未婚をはじめ社会的立場を表現するものであり、貴金属で作られた財産でもあり、邪視や災いを避けるお守りでした。怪我を防ぐなど不思議な力を持つ朱色の宝石カーネリアン(紅玉髄)、羊の角やチューリップ、魔を祓う下げ飾りの音・・・草原や砂漠で彼女たちはつねに装身具を兼ねた護符によって守られていたのです。
この作品は、コート状の上着に縫い付けて、前を留めるホックの役割をするものです。留め飾り単体ではなく、小さな装飾銀板とともに布に縫い合わされた状態を見ることができる興味深い作品です。
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広島県立美術館