円覚寺奉納海上信仰資料
えんかくじほうのうかいじょうしんこうしりょう
概要
この資料は、津軽の風待ち港として知られてきた深浦の円覚寺に奉納された海上信仰資料で、船絵馬70点、髷額28点などからなる。
船絵馬は、ほとんどが北前船の航海安全を祈って船主や船頭が奉納したものである。天保7年(1836)から明治29年(1896)に至るまでの絵馬がまとまって残されている。そのうち、越前敦賀の庄司太郎左衛門が寛永10年(1633)に奉納した船絵馬は、北前船の前身の北国船の珍しい遺例で、中世的性格をもつ輸送船の様が描写されている。
髷額は、船乗りが海難に際して髷を切って祈り、一命をとりとめた後に感謝の気持をこめて奉納したもので、天保9年(1838)から明治15年(1882)までのものがある。