本美濃紙
ほんみのし
概要
正倉院の大宝元年(701)の美濃国の戸籍用紙は漉きむらがなく、他の諸国の用紙より優秀な技術を示している。平安時代の延喜式によれば、美濃は製紙原料を群を抜いて多く貢納しており、わが国の代表的な製紙産地であった。江戸時代に美濃の障子紙は最上と賞され、明治時代には美濃紙を代表する紙は書院紙と評価が定まった。本美濃紙【ほんみのし】は高級な障子紙(書院紙)および記録用紙として用いられ、長い伝統の中で洗練された抄紙技術と高級な簀桁【すけた】用具によって楮紙のもつ強靭さと温雅な色と光沢、上品な地合【じあい】が発揮されている。用途上日光に透【す】かされるので繊維がむらなく整然と美しく漉き上げられているのが特色である。
所蔵館のウェブサイトで見る
国指定文化財等データベース(文化庁)