八幡神社 随身門
はちまんじんじゃ ずいしんもん
概要
八幡神社は、相馬中村城の南方に境内を構える神社である。現在の社殿は、相馬中村城主の相馬家が元禄8年(1695)に造営した。
境内の南面に随身門を開き、中央に本殿、幣殿、拝殿を建て、その周囲に複数の摂社と末社を配置する。本殿、幣殿、拝殿は権現造の形式で、彫刻や塗装で内外を豊かに装飾する。とくに本殿は、柱間(はしらま)を6尺に統一し、同一下絵による彫刻を多用して濃密に仕上げる。
本殿、幣殿、拝殿は、全国に普及した神社建築の系譜を引きながら、建築や装飾の技法に独特な特徴を備えており、この地方の江戸中期の神社建築を代表するものとして価値が高い。また、摂社と末社、門は、近世以来の境内の景観を今に伝えており重要である。