地釉縄文象嵌壺
じぐすりじょうもんぞうがんつぼ
概要
大正時代末頃以来、柳宗悦を中心に推進された民芸運動は、全国各地の民窯の存在を広く知らしめるところとなった。それらの民窯は、その土地特有の原材料や技法等を使い、主に地元周辺の需要を満たす日用雑器を焼造していた。その地方的特色を持った伝統的制作技法を基盤として、縄文土器と李朝三島手の融合という創意工夫が加えられた技法が民芸陶器(縄文象嵌)である。
「地釉縄文象嵌壺」は、四耳壺で胴部分全面に粗目の縄文を施し、象嵌して地釉を掛けている。地釉とは益子で並白(なみじろ)とも呼ばれる透明釉のこと。その成分中のカオリンを増やすと半透明のマットな釉調となる。
平成10年度文化庁工芸技術記録映画「民芸陶器(縄文象嵌)‐島岡達三のわざ‐」の対象作品である。