機織機断片
はたおりきだんぺん
概要
この機織機は焼失住居から見つかったもので、全体が焼けて炭化している。
「綜絖(そうこう)」と呼ばれるはしご状の部品や、それ以外の棒状の部品などから成る。
綜絖は糸を交互に分ける機能をもつ部品で、3個体が樹皮で束ねられた状態で出土した。写真のものは遺存状態が最も良好な1個体で、長方形の溝と楕円形の小穴が交互に開けられている。縁の部分には装飾文様が彫刻されているのが確認できる。
棒状の部品も複数個体から成ると見られ、他の部品と組み合わせるためと見られる溝が切られている他、使用時に付いたと推定される糸ずれ痕が部分的に認められる。
栄浦第二遺跡のうち国史跡指定範囲の隣接地区から出土した。