南須釜の念仏踊
みなみすがまのねんぶつおどり
概要
念仏や和讃を唱え、鉦や太鼓を打ちながら踊る念仏踊はいろいろと変化し、ここでは念仏に合わせて少女達が振り美しく踊る特色を有する。
四月八日は南須釜の東福寺境内で、八月十四日、十五日は東福寺の境内と新盆の家々の庭先で踊る。その歌詞はいずれも長文の口説【くどき】で、演目は「小夜の中山」「ねずみ」「小鍛治」「ドタラ」「サンチョイ」「おみよ」「松川」「さいほい(一)」「さいほい(二)」「下妻」の十種からなっている。これらの歌の一句ごとに「ナムアミダー ハーヨーブッサー ナムアミダーサー」の囃子ことばが入り、また一つの踊りの終りに「回向成仏 南無阿弥陀仏」と唱える。
また、踊りは十四・十五才の少女が二十人ほどで踊り、「立ち踊り」と綾竹を持って立て膝で踊る「座り踊り」とがある。踊りによって扇子二本、または小豆を入れた綾竹二本を持つ。囃子は鉦叩き一人、笛一人、歌六人で、歌は年輩の婦人達によって歌われる。踊りの振りは各演目で違っている。
念仏踊の一つとして地方的特色が顕著なものである。
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