後撰和歌集巻第一断簡〈(白河切)/(たいしらす ひとこゝろ)〉
ごせんわかしゅうまきのだいいちだんかん〈(しらかわぎれ)/(だいしらず ひとこころ)〉
概要
本作品は「白河切」と呼ばれる古筆切で、『後撰和歌集』の断簡である。伝称筆者は西行(1118~1190)で、平安時代後期から鎌倉時代初期の緩急抑揚の変化にとんだ筆運から、江戸時代に筆者を西行と鑑定され、名筆の一つとして鑑賞されてきた。
本文は、古本系統『後撰和歌集』の巻第一春上のうち三首に該当する。書風は、太い線と細い線が交錯した緩急のある運筆で、連綿は長い。
本作品は、名筆の一つとして書道史上に重要である。また、伝本の少ない古本系統『後撰和歌集』の平安時代後期の書写になる古写本として国文学上にも価値がある。