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木造十一面観音菩薩坐像御正躰

もくぞうじゅういちめんかんのんぼさつざぞうみしょうたい

概要

木造十一面観音菩薩坐像御正躰

もくぞうじゅういちめんかんのんぼさつざぞうみしょうたい

その他 / 室町 / 東北

不明

室町/1496

【品質・構造】
 全て木造。
 鏡板は方座と共木で横木一材製。用材はカヤとみられる(目視による)。光背上面の内区、仏像両耳上円座に黒色糊漆による接着痕あり。
 菩薩形坐像は台座と共木で縦木一材製。内刳りなし。木心を後方に外す(木表)。用材不明。鏡板との接合は黒色糊漆の使用が観察される。それ以外にも鏡背に貫通しない雇い枘等の使用が推測される。両拳とも天地に貫通する穴が穿たれる。
 鐶座及び花瓶も各々縦木一材製。いずれも用材不明。鏡板との接合は、鐶座が鏡板木口からの釘留めと確認され、花瓶が詳細不明ながら仏像と同工と推測される。
 鏡面、菩薩形坐像及び花瓶の一部に白色顔料(胡粉か)が残る。
【形状】
 鏡板に菩薩形坐像1軀をあらわす御正躰。
 鏡板1面、鏡板方座1基、鐶座2口、菩薩形坐像1軀、花瓶2口からなる。
 鏡板は圏線で外区と内区とに区画され、鏡板外区は周縁から順に列弁、紐、連珠、紐(圏線)が巡り上方2箇所に鐶座を配し、内区中央に光背を負い台座に坐す菩薩形坐像を、その左右に水瓶を配する。
 鐶座は半肉彫りで獅噛形。花瓶は半肉彫りで頸部を紐2条がわたり基部に高台を伴う。
 菩薩形坐像は頭部のみ丸彫りで背面まであらわし、頭部以外は台座を含め半肉彫りとする。化仏1軀及び頭上面7面を戴く、2目2臂の菩薩形坐像。両腕とも屈臂し、腹前で全指を捻じる。蓮華座及び岩座からなる台座に坐す。光背は鏡板に陰刻され、頭光、身光、円文、蓮華座を伴う舟形の挙身光。
 化仏及び頭上面は概形のみの彫出で、地髪上一段に列ぶ。化仏は一重舟形光背を負う如来形立像。印相等、詳細は不明。頭上面は首から上、頭部、天冠及び天冠台(紐及び正面に円座)をあらわす。
 頭髪は髻がなく頭頂が平滑で、天冠台下を疎彫りとして毛筋目をあらわし、鬢髪2条が耳をわたる。天冠台は紐1条と列弁からなり、正面に花形、両耳上に円座をあしらう。
 白毫相。二重瞼。両目尻に皺2条をあらわす。首筋に二道をあらわす。着衣は、上半身が通肩の大衣で袖裾が台座に及び、下半身は裙をまとうか。胸飾を着ける。胸飾は二度波打つ概形で、紐2条を基本帯とし、正面に花形をあしらう。

[鏡板]
径49.9(約1尺6寸5分)、内区径45.6(約1尺5寸)、外区(列弁、紐、連珠、紐)幅4.3、厚3.2、総高50.6
方座 幅23.3、高3.5(最大)~0.7(最小)
[菩薩形坐像]
総高(現状)26.5、像高(現状)20.4(約6寸7分)
[その他]
鐶座(獅噛形) 高各7.6、幅各6.6、厚各1.8
花瓶 高各5.9、口径各1.5、胴径各2.4

1面

個人

有形文化財(美術工芸品)

黒崎神社伝来

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キーワード

/ 台座 / 頭上 /

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