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『氷島』の著者(萩原朔太郎像)

概要

『氷島』の著者(萩原朔太郎像)

その他

恩地孝四郎  (1891-1955)

オンチ、コウシロウ

昭和18年/1943

木版(多色)・紙・1面

52.5×42.6

左上に印章、年記、署名(刷)

18回国画会展 東京府美術館 1943

99
おんちこうしろう
恩地孝四郎(1891〜1955)
ONCHI,Koshiro

人体考察(肩)
Consideration of Human Body (Shoulder)
昭和2年(1927)
東京国立近代美術館蔵


100
おんちこうしろう
恩地孝四郎(1891−1955)
ONCHI,Koshiro

『氷島』の著者(萩原朔太郎像)
Another of "Ice Isle", Portrait of S. Hagiwara
昭和18年(1943)
東京国立近代美術館蔵


ムンクやカンディンスキーなどのヨーロッパの新しい絵画に啓発された恩地孝四郎は,1914−15年に田中恭吉や藤森静雄とともに版画誌『月映』を創刊して抽象木版画を発表し,創作版画および抽象美術の先駆者となった。その後も1918年の日本創作版画協会や1931年の日本版画協会の結成に参加し,版画の独自性と多様な表現の可能性を追求した。恩地の本領は抒情的抽象版画にあるが,優れた具象表現の版画も制作している。
抽象版画の秀作≪人体考察≫は〈髪〉〈肩〉〈胴〉〈脚〉という身体の四つのモティーフで構成され,有機的かつ幾何学的な要素からなり,豊かな新しさをもった恩地の抽象である。≪『氷島』の著者(萩原朔太郎像)≫は恩地の友人であり,詩集『氷島』の著者である近代詩の確立者萩原朔太郎の肖像を描いた大型の多色刷りの木版である。内面描写に優れた萩原の鋭い感性とともに詩人に対する恩地の感情が伝わってくる。萩原の死の翌年に,長年の友を追悼する意味で制作されたこの版画は,恩地の写実性がよく分かる具象版画の傑作である。


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キーワード

恩地 / 孝四郎 / 朔太郎 / 萩原

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