旧石川県第二中学校本館
きゅういしかわけんだいにちゅうがっこうほんかん
概要
旧石川県第二中学校本館は,明治中期に改正された中学校令をもとに設置された中学校校舎の初期の遺例で,明治32年に竣工し,設計は石川県技師の山口孝吉による。
木造2階建で,平面は主体部の両端に翼部を設けたH字形になり,正面中央に車寄を設ける。内部は片廊下式を基本として主体部は廊下の南側に教室を配する。外観は窓まわりを下見板張,腰を竪板張として,上げ下げ窓を並べるなど,洋風意匠でまとめる。当時の設計指針を踏まえつつ,両翼部の内側には尖塔を建て,屋根の要所にペディメントを飾り,切妻屋根の小窓を規則的に配置するなど,その装飾には独創性がみられ,近代の学校建築の発展過程を知る上で,高い価値が認められる。