染付婦女逍遥文皿
そめつけふじょしょうようもんさら
概要
染付婦女逍遥文皿
そめつけふじょしょうようもんさら
清時代、乾隆元年頃/1736年頃
磁器
高2.8 径23.0 高台径11.8
1枚
来歴:1984神戸市立博物館
参考文献:
・神戸市立博物館『神戸市立博物館所蔵 阿蘭陀絵伊万里とびいどろ・ぎやまん展―江戸のオランダ趣味―』(福山市立福山城博物館、1998)
オランダ東インド会社からの依頼により作成したコルネリス・プロンク(Cornelis Pronk/1691-1759)による下絵「The Parasol Ladies(婦女逍遥、傘持ち美人)」に基づく中国・景徳鎮窯の染付磁器。当館所蔵の色絵皿(新1984-016)に比べると原画に近い描写となっており、人物や鳥のかたちの写し崩れが少ない。貴婦人の顔や上半身にみられる傘によって生じた影の表現や侍女の仰視する顔の描写などの細部も精緻に写し取っているといえよう。4羽の鳥は姿態に大きな違いはみられないが、前景の3羽の鳥の中で中央に位置する鳥は真ん丸な目をして、原画に比べて愛嬌さが加味されている。鳥の後景にある芦のような植物も、震えるような線描を採っている。裏面をみると、原画同様に周囲に昆虫文が染付で描かれ、高台畳付は無釉となっている。染付皿はほぼ忠実に原画を写しとっており、初回の発注時である1736年頃に製作されたと推測される。
【近世・近代の漆工・陶磁器・染織】