黒漆横矧銅具足
くろうるしよこはぎどうぐそく
概要
黒漆横矧銅具足
くろうるしよこはぎどうぐそく
江戸時代中期/不明
兜は三十二間筋兜。鉢は薄い矩形の鉄板を矧合わせ、やや前後径が長い。鉄板は鋲止めする。錣(しころ)は本小札(ほんこざね)に黒漆を塗り、盛上げ風となる。鉢付板ともに五段垂れを緋糸毛引威、吹返しは一の板の両端を小形に折り返し、丸に「宮」字紋を据文(すえもん)とする。鉢裏は紅綸子刺縫。兜の緒(忍緒)は欠失する。眉庇(まびさし)は付眉庇で、少し前に突き出している。表には絵韋(えがわ)を貼り、裏朱塗りとする。頂辺には八幡座を据え、菊重ねを多用する。また正面に祓立を設け、木製金箔押の朱火焔付きの日輪前立を挿入する。頬当(ほおあて)は黒漆塗、咽喉輪の下げは本小札緋糸威である。
胴は横矧桶側丸胴で、鋲打ちどめ、黒漆塗りで、これは当世具足に多く見られる形式である。立挙(たてあげ)前三段紺糸胸腰取り、紺糸毛引威、後は四段。長側五段仕立。板札には鉄板札を用い漆をかける。草摺(くさずり)は七間五段下り、革の黒漆本小札を用い、紺糸毛引威となる。
胴高 30.8センチ
鉢高 17.5センチ
1領
西ノ島町指定
指定年月日:20171213
個人
有形文化財(美術工芸品)
この鎧兜は初代松江藩主松平直政公より焼火神社に奉納されたとの家伝承があった。