蒔絵螺鈿鮫皮貼り住吉社図鞍袋形箱
まきえらでんさめかわばりすみよししゃずくらふくろがたはこ
概要
螺鈿と黒漆によって碁盤縞にした周縁をもつ四つ葉形の窓を、大きく蓋表に配し、中に住吉神社の意匠を金平蒔絵と螺鈿で表現した洋箱。木製のトランクというべきものです。反橋(そりばし)と鳥居、社殿を中央に置き、水鳥、鶴、松などを装飾した雅趣あふれる伝統的意匠ですが、高度な技術で張った鮫皮(実際はエイの皮)や、側面を埋める花鳥の意匠構成は、ヨーロッパ人の好みを取り入れた輸出漆器特有の濃密さを示します。もとは、左右に提手があり、正面にも鍵のかかる錠金具があったらしいとかんがえられます。
【近世・近代の漆工・陶磁器・染織】