上野諏訪社幟旗
うえのすわしゃのぼりばた
概要
外国製の幅広布と推定され、当地に宿営した新政府軍からの下賜品であった可能性がある。幟旗の揮毫者は柏崎の私塾「十六堂」の塾頭・原修齋である。当地方において、一般的に幟旗は昭和から平成にかけて制作されたものが多く、まれに大正や明治のものも現存する。最終年とはいえ、江戸時代の幟旗が現役で使用されているのは、全国的にも希少な例といえる。慶応四年七月は北越戊辰戦争のさ中であり、この時期に揮毫され、祭礼を挙行していることが史実として興味深い。素材の入手経路など未解決な課題はあるが、揮毫者、制作年代は明らかであり、時代の転換期にあらわれた歴史資料として貴重である。