文化遺産オンライン

孔雀明王図像

くじゃくみょうおうずぞう

概要

孔雀明王図像

くじゃくみょうおうずぞう

絵画 / 平安

平安時代・12世紀

紙本墨画

102.8x62.6

1幅

様々な災いを除く力があるとされる仏様、孔雀明王が描かれています。しかし、白い紙に黒い線だけで描かれていて、最後まで描きこまれていないところもあります。これは未完成なのでしょか。
実は、今回ご紹介する作品は、孔雀明王を描いた白描図像(はくびょうずぞう)というものです。白描とは墨線だけで描かれている絵のことをいい、図像とは仏画などを描く際に図様を書き示したもののことをいいます。こういった図像は制作の際の手本や設計図として、あるいは研究のために用いられました。
仏教絵画にはさまざまな描き方の決まりごとがあるため、このような図像を利用して描き方の指示をしていたようです。仏画を描く際は図像のほかにも、色の指定などが書かれた仕様書のようなものを参考にして描いたのでしょう。同じ仏様を描くにも複数の図像が存在していたと考えられますが、図像によって絵の構成が変わってくるため、どれを基にするかということも重要だったようです。
この作品は平安時代から鎌倉時代の僧で絵を描くことにもすぐれた、玄証のコレクションでした。彼は白描図像の研究をしていたことでも知られています。白描図像にはスケッチのように簡単に描いているものも多い中で、この作品はしっかりとした描線で細かい部分まで描きこまれています。仏画の制作過程や、図像の継承について知る上でも貴重な作品です。

孔雀明王図像をもっと見る

東京国立博物館をもっと見る

関連作品

チェックした関連作品の検索