みみずく土偶
みみずくどぐう
概要
これは縄文時代に土でつくられた人形(ひとがた)、土偶です。土偶は女性をあらわし、安産や子孫繁栄、豊かな自然の恵みを得ることを願って使われたと考えられています。この土偶は大きな頭の部分に対して身体は薄く作られ、自分では立つことができません。おそらく、手に持つか、何かに立てかけて使われていたのでしょう。
顔はハート型にふちどられ、丸い目と口は薄い粘土をはりつけてあらわされています。この顔の表現が動物のみみずくに似ていることから、みみずく土偶と言われています。頭の大きな突起は、結った髪や、櫛(くし)を表しています。大きな耳にも、粘土で丸く何かが表現されています。これは、今でいうピアスのように耳たぶに穴をあけ、そこに耳飾りをはめ込んでいる様子です。それにしてもずいぶん大きな耳飾りです。このみみずく土偶は、縄文時代後期の後半から晩期の前半にかけての関東地方で、いくつか見つかっています。同じ地域からは、土で作られた丸い耳飾りも数多く発見されています。小さなものから直径が10センチくらいある大きなものまで様々ですが、いずれもみみずく土偶のように耳にはめこんでいたのでしょう。このように、土偶は当時の人々の流行のファッションや髪型を想像する手がかりにもなるのです。