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十二神将立像(辰神)

じゅうにしんしょうりゅうぞう しんしん

概要

十二神将立像(辰神)

じゅうにしんしょうりゅうぞう しんしん

彫刻 / 鎌倉

鎌倉時代・13世紀

木造、彩色・截金、玉眼

像高78.2

1軀

重要文化財

十二神将(じゅうにしんしょう)は、薬師如来(やくしにょらい)という仏が従える、12人の武装した守護神、いわばガードマン集団です。頭の上に龍がにらみをきかせているのがわかるでしょうか。この像は十二神像のうち辰神(しんしん)。十二支(じゅうにし)の中の辰(たつ、しん)を意味します。
ヒノキの木から彫り出し、全体に色を付けた像です。よろいを身に着け、剣をもつ武将の姿で、眉をつり上げ口を固く結んでいます。右手を剣の柄にかけ、右肩を前に突き出し、利き足の右足をぐっと踏み込んで、今にも剣を抜かんばかりの様子です。空間の奥行を感じさせる体の動き、リアルな表情、シャープで整った形は、有名な運慶に代表されるような、12世紀末期ころより起こった彫刻の表現の特徴を表しており、新しい時代のおとずれを告げています。ダイナミックな動きとともに、鮮やかに残る彩色も大きな見どころです。
もともとセットであった12の神将像は、すべて今も残っており、それぞれの頭には、おなじように、十二支(じゅうにし)の動物が表されています。東京国立博物館は12体のうち5体を所蔵します。12という数字は、薬師如来が人々を救うために立てた12の誓いに対応したものです。また東アジア地域では、古くから時間や方角を12に区分し、それぞれに12種類の動物を当てはめる風習がありました。現代に生きる私たちにも、十二支(じゅうにし)はなじみぶかいものでしょう。この十二支が薬師如来のガードマンたちにも割り振られました。つまりいつでもどの方向にも、目を光らせていることを意味してもいるのです。

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キーワード

/ 十二神 / 薬師如来 / Generals

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