当麻曼荼羅
たいままんだら
概要
仏教の世界観を目に見える形で表現したもののことを曼荼羅(まんだら)図といいます。奈良県の當麻(たいま)寺には8世紀の制作ともいわれる、糸を織って表した国宝の當麻曼荼羅(たいままんだら)図が伝来しています。そこには、阿弥陀如来の住む世界である極楽浄土が表されています。仏の教えを記した経典の一つで説かれる極楽浄土の世界と、その経典の中につづられている物語を同じ画面に描いたものです。浄土信仰が盛んになる平安時代後期から鎌倉時代にかけて、これを縮小して転写した作品が数多く作られました。今回ご紹介する作品もその一つで、當麻寺の曼荼羅図に由来することから、当麻曼荼羅図と呼ばれます。
画面中央に描かれているのは極楽浄土です。中心には説法を行う阿弥陀如来、両脇には付き従う観音(かんのん)菩薩と勢至(せいし)菩薩がいます。その周りには、説法を聞くためにたくさんの人々が集まっています。金泥(きんでい)という粉末状にした金を膠で溶かした絵具で、極楽浄土の世界を華やかに表現しています。
物語は、浄土図の周りをマンガのコマのように進んでいきます。内容は、悲劇に見舞われた女性が浄土に憧れ、その様子を見たいと願ったことから、釈迦がその方法を説くというもの。物語の場面は、左下の角のコマから上へ、次に右上の角のコマから下へ、最後に下の段を左から右へという順で進みます。
絵を見ながら、浄土がどんな世界なのか、物語はどういったものなのか想像してみるのも、この作品の楽しみ方の一つかもしれません。
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