黒韋肩裾取威腹巻
くろかわかたすそどりおどしのはらまき
概要
日本の甲冑のうち、胴体をぐるりと包み、背中に合わせ目があるものを腹巻(はらまき)と呼んでいます。腹巻は、もともと身分の低い武士が用いていましたが、戦闘で動きやすいものが求められた15世紀ごろになると、袖(そで)や兜(かぶと)を加えて身分の高い武士が用いるようになりました。この腹巻は、札(さね)という革や鉄でできた板を横一列につなげて漆という木の樹脂で塗り固め、それを黒韋(くろかわ)と呼ばれる濃い藍色に染めた染韋(そめがわ)の紐を使って綴り合わせてできています。胴と肩を守る袖のはじは、白と紅(くれない)の組紐を用いており華やかです。こうしたはじの部分を綴り合せる技法は「裾取威(すそどりおどし)」と呼ばれています。また、膝を守る草摺(くさずり)という部分は、七つに分かれ、動きやすく工夫されています。ところどころにみられる金具には菊などの文様があらわされ、様々な素材や技法が用いられたこの腹巻は、日本の中世の典型的な特徴がみられるのです。
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