無隠元晦あて法語
むいんげんかい ほうご
概要
馮子振(ふうししん)は官僚として活躍する一方、禅学にも造詣が深く、中峰明本(ちゅうほうみょうほん)、古林清茂(くりんせいむ)ら当時の僧侶とも親交を結びました。本作は、中峰明本のもとで修行をしていた日本からの留学僧、無隠元晦(むいんげんかい)の求めに応じて、馮子振が書き与えた七言絶句の形式をとる三首の法語です。
本作のように、馮子振の書は入元の禅僧に好まれ、日本に少なからずもたらされました。在家の居士の書ではありますが、禅僧の墨蹟のように珍重されてきたのです。本作は著名な大名茶人でもある雲州@うんしゅう@松平家7代の松平治郷@まつだいらはるさと@(不昧@ふまい@)の旧蔵品です。