婚礼衣裳
コンレイイショウ
概要
花熨斗文様打掛(染分綸子地 友禅染) 婚礼衣裳一式のうち(画像No.1)
御簾几帳文様打掛とともに、大正十三年に京都で結婚した女性のために誂えられた婚礼衣裳のうちの一領である。当時の京都で屈指の染匠の手になると伝えられ、京の豪商の華麗な婚礼の儀のありさまがうかがわれる。
花熨斗とは、贈答用に包んだ花束のこと。伝統的な文様でありながら、大胆に染め分けた地色と写実的な花の描写にみる明るい色調に、大正時代の染織品の傾向がよく表れている。
御簾几帳檜扇文様 打掛(黒綸子地 友禅染・繍)婚礼衣裳一式のうち(画像No.9)
花熨斗文様打掛とともに、大正十三年に京都で結婚した女性のために誂えられた婚礼衣裳のうちの一領である。江戸時代後期の打掛と同様に、御簾・几帳・檜扇と、王朝時代を想起させる文様で彩られている。王朝を思わせる文様が優雅さや趣味の高さをあらわすだけでなく、一種の吉祥文様と捉えられていたのであろう。