色絵花卉文九角皿 九谷
イロエカキモンキュウカクサラ クタニ
概要
日本の色絵磁器の中では古九谷様式の作品に分類される。九角入隅輪花形の平鉢で、周辺部を正九角形の組み合せで生れる幾何学文で菱繋ぎ文風に仕上げ、見込みに正九角形の白地を広く残して牡丹に鳥・蝶文を描いている。素地は純白に近い白磁胎で、緑・紫を主調に黄・赤を加え、緑・紫釉の釉下に黒釉による幾何学文の線描を加えている。複雑な周辺の文様帯によって見込みの花鳥文を一段ときわだたせ、雄渾な筆致の花鳥図を描く。口縁部には鉄釉による口紅がほどこされ、裏側は染付の唐草文、高台内に角福銘が黒釉と緑釉で記されている。典型的な爛熟期の古九谷様式の作品であるといえよう。