縹糸威胴丸 兜・大袖付 附旗一旒
ハナダイトオドシドウマル カブト・オオソデツキ ツケタリハタ1リュウ
概要
胴丸は、右脇に引合せを設け草摺(くさずり)を七~八間として徒歩しやすくした甲冑で、遺品は南北朝以降に多い。 本品は黒漆を塗った革と鉄小札(こざね)を一枚交ぜに組んで、これを縹糸(はなだいと)で威(おど)す。縹糸は露草の花で染めたもの。 兜は阿古陀形(あこだなり;阿古陀瓜に似た形の意)で、三十八間の筋と腰巻の囲垣(いがき)に鍍金の覆輪(ふくりん)をかけている。 兜・大袖の完備した胴丸として貴重で、金具も赤銅(しゃくどう)に透彫(すかしぼり)・魚々子(ななこ)、高彫(たかぼり)・色絵(いろえ)を施す古例である。 「集古十種」甲冑部に収載され、近年まで那須家に伝来したもの。