『越中志徴』(稿本)
えっちゅうしちょう(こうほん)
概要
『越中志徴』(稿本)
えっちゅうしちょう(こうほん)
加賀藩の郷土史家・森田柿園の明治期の著。
すべて反故紙に書かれている(罫紙含む)。『富山大百科事典』によると、反故紙を継ぎ合わせて郡別に巻物としていたものを、柿園の晩年に綴じ代を足して冊子にした。
一部重複もあるが、多くの巻頭首題に巻数(全15巻)があり、これが元の巻数と思われる。
表紙に、昭和13~17年(1937~42)に柿園の子・森田外与吉(号は霞園)が浄書した期間とその巻数が書かれている。また、すべて1ページ目に朱文長方印「森田蔵書」が捺されている。
公選3代富山県知事(任期1956~69)の吉田実(1910~82)旧蔵。付属の帙には「越中志徴/森田柿園稿/全二十二巻(白文方印「吉田実」)」とあり、吉田が作成したものとわかる。
吉田は東京都文京区本郷の古書店・木内書店にて本資料を発見し、昭和44年(1969)に65,150円で購入した(10月24日付の代金支払いの礼状葉書付属)。昭和44年10月19日付富山新聞「『越中志徴』の原本みつかる」の記事も付属。
石川県立図書館「森田文庫」の『越中志徴』(全8巻)は外与吉浄書本であり、稿本は所蔵されていない。
<参考文献>
・富山新聞社,石川県図書館協会『越中志徴』復刻版,1973年
・北日本新聞社「富山大百科事典(電子版)」2022年9月15日アクセス
・平凡社『富山県の地名』1994年
・富山新聞社『富山県大百科事典』1976年
・北國新聞社『石川県大百科事典』1993年