神奈川県立図書館・音楽堂
かながわけんりつとしょかん・おんがくどう
概要
ともに昭和29年10月竣工。当時の神奈川県知事内山岩太郎が戦後復興のために推進した文化政策の一環として、近代美術館(当時)に次いで建設され、現在でも当時の姿を維持しながら、多くの県民に親しまれ、愛されてきた戦後史の証人であり、高い歴史的価値を持つ。近代建築の巨匠として世界的に知られるル・コルビュジエに学んだ前川國男が手掛けたモダニズム建築であり、戦後わが国に積極的に試みられ、普及していく軽快で透明感のある機能性を重視したモダニズム建築の最初期の代表作。
図書館は、後に前川が手掛けた国立国会図書館に受け継がれる「中央書庫式」を採用するなど、全国に建設された図書館建築における一つの範となっている。
音楽堂は、当時、国内に前例がない中、イギリスのロイヤル・フェスティバル・ホールを参考にコンサート専門ホールとして建設され、観覧スペースであるオーディトリアム内部には木材を用いて極めて優れた音響効果を実現するなど、現在でもわが国を代表する音楽専門のホールとして重要な位置を占めている。